会社の営業部と事務方の総務部や経理部との関係性がよくない、というのはよく聞く話です。
また夫が専業主婦である妻に対し「養ってやっている」という態度で接して夫婦喧嘩になる、というのもよく聞く話です。
なぜお互いのことが良く思えなくなってしまうのか考えてみました。
外に出てお金を稼いでくるから偉い?
営業部と事務方の関係性がよくない会社にありがちなのは、
「営業は外部から仕事をとってきて売上獲得に貢献するが、事務方は稼がずコストを生むだけだ。」
という態度で営業部が事務方に接してしまう事です。
ともすれば経営のトップである社長が営業出身だと、このような状況になりやすいようです。
家庭では先ほど例に挙げたように夫が妻に「養ってやっている」という態度で接したり、
「家にずっといるのだから、家の事は完璧にできて当たり前」という態度をとってしまい不仲になる、ということも多いようです。
これらに共通する考え方として「バックオフィスが行う作業に対する無理解」があるのではないでしょうか。
バックオフィス:企業などの組織において、事務・管理業務などを担当し、フロントオフィスを支援する部門。人事・経理・総務・情報システム管理部門など。
フロントオフィス:企業などの組織において顧客に直接対応する部門。営業部門や顧客サポート部門など。
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バックオフィスはフロントオフィスのサポート、ではあるが・・・
上記の定義の通りバックオフィスはフロントオフィスを支援する部門であるため、
ともすればフロントオフィスが主でバックオフィスが従、というように捉える人がいるかもしれません。
しかしバックオフィスが組織になかったとしたらどうなるでしょう。
フロントオフィスがバックオフィス業務を行うことになり、本来の業務である営業や顧客対応ができなくなる可能性が高くなるのではないでしょうか。
バックオフィス業務は専門性が高く特に正確性を要求されるため、各専門分野に対する熟練度が重要となる場合が多いです。
一朝一夕にバックオフィス業務がこなせるようにはなりません。
バックオフィスが脆弱な会社は大きくなれないか、なったとしてもボロが出て遅かれ早かれ傾くという運命を辿る可能性が高いです。
そうすると、バックオフィスが従であるという考え方が誤りであることがおわかりいただけると思います。
家事は、バックオフィス業務である
先ほどの夫婦喧嘩の話は、まさに会社と同じことが言えます。
料理・洗濯・掃除は習得するのにも時間がかかりますし、作業時間も容易に短縮できるものではありません。
家事は人間らしく生きるために重要な作業であり、この作業を省略することはできないでしょう。
アウトソーシングできる作業であるとはいえ、実際に家事を行っている人が稼いでいる人より立ち位置が下であるという事はないと思います。
お互いの仕事に尊敬の念を
もちろん外でお金を稼ぐことは重要でとても難しいことです。
しかし「フロントオフィスが営業に専念できるのは、バックオフィスが営業以外の作業を行っているからだ」
ということを忘れないようにするとお互いの関係性が良くなり、より発展していけるのではないでしょうか。
私が以前勤めていた会社でも、事務方に人気の仕事ができる営業担当は事務方にマメに差し入れしてたりしていましたね。
なんてことをふと思い出した今日1日でした。