私は会計業界に入るまで、
学習塾講師(学生時代のアルバイト)
↓
パソコン周辺機器・本体販売員(新卒で正社員)
↓
学習塾教室長(正社員・エリアマネージャー)
と業種を経験してきました。
営業系か事務系かというと、営業寄りの仕事をしていました。
ノルマに追われた販売員時代
パソコン周辺機器・本体販売員のときは、個人に明確に課されるノルマはありませんでした。
しかし会社全体で、とあるメーカー(時期によって異なる)との間で製品販売総額の目標が取り決められ、
その目標が店舗・チームごとに割り振られるという仕組みで、それぞれのチームに営業目標が与えられていました。
チームの責任者によっては「目標達成までパソコン〇台」と記載した表をバックヤードに張り出し、
個人ごとの販売実績台数を載せるという方法をとっていました。
そうすると販売員は目標達成のため、自然とその時期の重点販売メーカーを売ることが目的になります。
もちろんお客さんの要望を聞いたうえで提案をしていくのですが、パソコンやプリンターは同価格帯であればメーカーごとに大きな性能差がある商品ではないため、
言い方は良くないですが「うまく誘導して」重点販売メーカーを買っていただく方向にもっていきます。
このことは、お客さんにメリットが全く無いわけではありません。
会社は取り決めした販売総額を達成するために、利益を減らしてでも売るという値段設定をするため、
大きな性能差がない同クラスの製品が1万円2万円安く買えるという事もありました。
しかし、そのような「あまり大きな差のないモノをやりとりする販売」に疲れたのか飽きたのか、2年で学習塾業界に戻ることになります。
モノではないものを売る業界に転職
学生の時にアルバイトとして塾講師をしていましたが、今回の転職は教室運営を管理する教室長の立場として学習塾業界に戻りました。
塾というと営業とイメージが結びつきにくいかもしれませんが、個別指導塾だったので、
授業を行うコマ数に応じた授業料を通っている生徒(正確には親御さん)から頂くという料金形態でした。
学習塾業界の書き入れ時は、児童生徒たちが季節休みとなる夏期講習・冬期講習です。
休みなので午前中から教室に来て勉強します。
教室に来られる時間があるということは授業が可能ということなので、
親御さんに提案して、通常よりもコマ数を相当増やして授業を行います。
営業としての転機
転職1年目、高校受験を控える中学3年生の親御さんから冬期講習の相談を受けていた時のことです。
公立高校に通うか、私立高校に通うか、まだ決め切れていないという内容でした。
状況としては、
- 受験科目が公立高校だと5教科、私立高校だと3教科。
- 通常時は数学と苦手な国語を勉強しに通塾している。
- 今から5教科を万遍なく勉強するには時間が足りず、目標の公立高校に必要な成績が取れなさそうだ。
- 3教科なら目標の私立高校に必要な成績が取れそうだ。
- しかし、英語は普段から授業ではとっていない。
相談を聞いた教室長の私は「英語の授業を足してもらえれば、目標の私立高校に合格する学力が付けられると思います。どうか受験までの間英語の授業を足してもらえませんか?」と提案しました。
提案するまでは、お金をさらに出してもらうことに躊躇していました。
個別指導塾は集団授業塾に比べて段違いに授業料が高かったからです。
英語・国語・数学の3教科セットなら、集団授業塾に通わせる親御さんが多かったのです。
しかし、その親御さんは私の提案を受け入れて英語の授業を追加してくださいました。
その後の私立高校受験も見事に成功し、その生徒は希望の高校に通うことができました。
相手のことを考えて、メリットある提案が含まれているか
自分が提供するサービスについて「本当に相手に必要だと思って提案する営業は歓迎される」という実体験は、その後の私の営業に対する意識を大きく変えることとなりました。
無理に売り込もうとせずとも、相手が求めていることや困っていることを自分が行うことで解決するなら、自然と買ってくれることが理解できたのです。
この事を学べたことは、今の税理士業務にも大きく活かせています。
相手の要望を聞くこともなく無理に売り込む税理士だったとしたら、余裕がないか胡散臭いと思われるのではないしょうか。
これからも頼りにしてくださる方の力に少しでもなれるよう頑張ります。
ご相談がありましたら、問い合わせページか各種SNSのメッセージからご連絡ください。