相続が発生すると、亡くなった方のことを被相続人、被相続人が残した財産を受け取る権利を持つ人を相続人と呼びます。
相続人と疎遠になっており連絡が取れない場合、どうすればよいでしょうか。
遺産分割協議書とは
相続が発生すると、遺産分割協議書というものを作る場合があります。
相続人が複数いる場合で、誰がどの財産を相続するかという話し合いを相続人全員で取りまとめ、文書にしたものを遺産分割協議書といいます。
相続人全員が署名捺印します。
被相続人の銀行口座からお金を引き出す際や、不動産登記の名義人を変更する場合などに、
その財産は確かに誰のものだとはっきりさせるための書類です。
遺産分割協議書がないと被相続人の口座からお金を引き出したり、不動産を売却することができない場合があります。
相続人の居場所がわからない場合
遺産分割協議書は、上記の通り財産の分配を「相続人全員で」決めたものです。
相続人全員で決めないと、その遺産分割協議書は有効ではありません。
では、普段から連絡を取っておらず居場所がわからない相続人がいる場合はどうしたらよいでしょうか。
その場合は、まず「戸籍の附票(こせきのふひょう)」という書類を取得します。
戸籍の附票には、住民票に登録されている戸籍上の住所が記載されています。
市区町村の役所・役場で取得することができます。
住所がわかった後には、郵便物を郵送したり実際に訪問したりして連絡をとることになります。
ただし、戸籍の附票を取得できる人は、本人または戸籍に記載されている方、その直系尊属(父母、祖父母)・直系卑属(子、孫)か、弁護士や税理士等の有資格者に限られています。
その住所に郵便物を郵送しても「あて所に尋ねあたりません」と返却されてしまった場合や、実際に訪問してもいなかった場合など、どうやっても相続人が探せなかったときは、家庭裁判所に不在者財産管理人を選出する申立てを行うことになります。
これらに該当した場合は、弁護士等に相談した方がよいでしょう。
疎遠にならない努力をする
ある程度の財産を有する一族は、疎遠にならないようにしておいた方がよいでしょう。
このご時世、年賀状のやり取りが形骸化して止めてしまう方も多いですが、
相続対策という意味では意外と有効であったりするかもしれません。