例えば、新卒で入社した会社で経理部に配属になったとか、
未経験で簿記の資格を取得して、いざ会計事務所に転職したとか、
会計を仕事にするとなった時に出くわす一番困ることって、
「資料見ても何が書いてあるかわからん」
ってことだと思うんですよね。
「前の見てやっといて」だけじゃ、力もつかず嫌気さす
それなのに、先輩は、
「前の見たらわかるから、前の見てやっといて。」
とか言って、指導することをめんどくさがって、説明もせずに仕事を押し付けて。
これが一番良くないと思うんですよねー・・・。
まずそもそも、「前のを見る」力もついてないのに、何も教えず見させて一人で仕訳を切らせるという
なんという職務怠慢。
「前のを見る」のができるのも、仕訳を見てどんな取引が起きていたのかが想像できてこそ。
簿記は「事実をありのままに表現すること」
私は、簿記は「事実関係を把握して、勘定科目と金額を記載すること」だと思っています。
事実関係を正確に把握することが重要だという事は、
大変お世話になった以前の勤務先のボス(税理士)に口酸っぱく言われたことです。
事実が異なると、勘定科目も、その科目に紐づく金額も異なってきますからね。
経験豊富な人とそうでない人の差は、「資料を見て、取引を把握して、仕訳を起こす力」の有無だと思います。
普段からできる仕訳のトレーニング「身の回りの会計事象を考える」
では、初心者の方(またはまだ資格取得途中で会計業界に入っていない方)が
どのように訓練するか、ですが、
「身の回りに起きている会計事象を考えてみる」というのはいかがでしょうか。
例えば、サムネイル画像のお菓子。
東京に住んでた頃にお世話になった方に頂きました。
このお菓子が手元に届くまで、どんな取引が行われたでしょうか。
- 原材料は「小麦・牛乳・卵・バター」→仕入の発生
- 包装紙にはプラスチックビニール→これも仕入、といっても包装紙なので梱包費?
- 包装紙のデザインにデザイン料→デザインは相当年数使うだろうから、繰延資産に計上するかな?
- 工場でお菓子を作るために使われている機械の減価償却費
- 工場を借りていたら賃借料
- 工場から売場に運ぶまでに運送費がかかるな
- 工場で働いている人の人件費
- 売場で働いている人の人件費
- 雑誌に掲載されたりしたら、広告宣伝費
- そういえば開けたら乾燥剤はいってたな→これも仕入に計上するか?
- 作っているのは会社なんだろうから、経理などの間接部門の人件費もかかるな
- 当然利益が出るんだろうから、納税資金も確保しなきゃね
とかとか、これでは列挙し足りないくらいの会計事象が起きていると思われます。
このように、勝手に仕訳にしてみるのもおもしろいでしょう。
問題を解いて疲れたら、休憩がてらお菓子を食べながら、仕訳を想像してみましょう。
業種が違えば、全く違う会計事象が発生します。
「ビルが建つまでに、何が起きているか」
「電車を走らせるのに、何が起きているか」
などなど、いろいろ想像してみると、勝手に力がついているかもしれませんね。